銀行業務検定とは、簡単にいうと「金融業界に関する基本的な知識を評価する試験」です。金融業界に就職した新社会人が日常業務で必要な知識を身につけることができるため、多くの企業で証券外務員や金融コンプライアンス・オフィサーと同じく取得必須資格&昇格要件となっています。銀行業務検定協会HPでは以下のように掲載されています。気になる方はご参照ください。
現在、以下のような23系統36種目の試験が実施されております。
青字になっている資格名をクリックすると、各資格の紹介ページに移動します。
その中でも「法務3級」は法務の分野(具体的な内容は試験内容、試験範囲に書いてあります)に特化した試験です。銀行業務を行うにあたり理解が必要な法律に関して広く出題されています。実務経験の少ない新人銀行員の方は、あまりイメージが掴めないと思うので、講義動画を何回も視聴して、問題集を解いてコツをつかんでください。
法務3級の合格率は以下のように推移しています。
年によって多少変化はあれど、おおよそ20%~40%くらいだと考えていただければいいと思います。
試験回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023年10月(第156回) | 5,829人 | 1,241人 | 21.29% |
2023年6月(第155回) | 5,171人 | 1,693人 | 32.74% |
2022年10月(第153回) | 7,444人 | 1,995人 | 26.80% |
2022年6月(第152回) | 7,255人 | 3,084人 | 42.51% |
2021年10月(第150回) | 10,644人 | 2,241人 | 21.05% |
2021年6月(第149回) | 9,562人 | 2,865人 | 29.96% |
2021年3月(第148回) | 9,321人 | 2,996人 | 32.14% |
2020年10月(第147回) | 15,958人 | 5,874人 | 36.81% |
2019年10月(第144回) | 19,252人 | 6,255人 | 32.33% |
合格に必要な勉強時間はおよそ20時間~40時間ほどといわれています。
まれに一夜漬けで試験に臨む方がいますが、普通に落ちるのでやめておきましょう。
法務3級には、通常の受験方式・CBT方式の2種類の受験方法があり、それぞれでいつが試験日なのかが異なります。
通常方式
通常方式(協会が指定した試験会場で、筆記試験を受験する方法)は、通常年2回(6月と10月)に実施されております。次回以降の試験で日程が確定しているものは以下となります。
実施日 | 開始時刻〜終了時刻 |
2024年10月27日(日) | 10:00~12:00(午前) |
CBT方式
CBT方式(全国の試験会場の中から好きな日時と場所を決めコンピューターで受験する方法)は、基本的に好きな日時に受験することができます。CBT方式での受験をする場合には、株式会社CBTソリューションズのサイトから申し込みをしてください。
注意 お勤めの会社で指定されている申込方法がある場合には、そちらに従ってください!
法務3級は、何かと他の資格(財務3級など)の試験日程と被ることがあります。そのようなタイミングでダブル受験をする方がいますが、個人的にはあまりおすすめしていません。
というのも、ダブル受験をすると受験する試験両方とも十分な勉強時間を確保できず、全落ちになるリスクがあるためです。まさに「二兎追うものは一兎も得ず」の状態です。そのため、1日1試験ずつ、着実に受験していく方がおすすめです。
ちなみに、CBT方式に対応しているものは以下の試験です。法務2級はCBT方式に対応していないため注意してください。
リンクを押すと各CBT試験の申込ページに移動します。
・財務3級
・財務4級
・法務3級
・法務4級
・税務3級
・税務4級
・金融コンプライアンス・オフィサー2級
・年金アドバイザー3級
・年金アドバイザー4級
・相続アドバイザー3級
・信託実務3級
・事業性評価3級
・事業承継アドバイザー3級
・DXサポート
試験時間は、通常方式もCBT方式も120分です。
受験料は、通常方式もCBT方式も5,500円(10%消費税込)です。
通常方式
通常方式の場合には受験票、筆記用具(HB程度の鉛筆・シャープペンシル、消しゴムなど)が必要となります。
CBT方式
CBT方式の場合には、本人確認書類が必要です。CBT方式では、備え付けのPCに入っているアプリを通じて受験するため、筆記用具等は不要です。
法務3級では、通常方式もCBT方式も五答択一式(五択の中から正解を1つ選ぶ問題)が50問出題されます。
出題項目は以下の通りです。
(1) 預金(定期積金を含む) 10問
(2) 融資(管理・回収を含む) 15問
(3) 決済(内国為替、手形・小切手、電子記録債権等) 15問
(4) 銀行取引関連法(民法の基礎知識や、顧客保護に関する法律知識、銀行の業務に関する知識など、銀行取引に関連する法律知識) 10問
1問2点で、合計点は60点 / 100点満点です!
通常の受験方式の場合、解答速報は協会HPに掲載されます。
CBT方式の場合は、即時判定で結果が出ます。
①授業動画を視聴する
こちらのリンク先にあるタクスの授業を視聴します。
②演習問題を解く
タクスの無料問題集を解きます(法務3級の問題集は現在作成中です。もう少々お待ちください)。
また、YouTube Shortsでも一問一答形式の問題を投稿しています!
無料問題集とYouTube Shortsでは問題内容が異なるので、余裕がある人は両方解いてみてください!
③問題集・過去問を解く
「演習問題だけでは問題数が少なくてちょっと不安…」「合格可能性をもっと上げたい!」という方は市販のテキスト・問題集で対策をするといいでしょう。おススメのテキスト・問題集は下記「おすすめ教材」で紹介しています。
・公式テキスト 法務3級
法務3級試験の公式テキスト。各論点の内容もちろん、重要性に関しても解説されています。
「授業動画だけでは不安…」「もっと網羅的に学習をしたい!」「紙のテキストが欲しい!」という方は購入を検討してみてもいいかと思います。
・問題解説集
法務3級には、某過去問道場のようなものはありませんが、代わりに公式の過去問が販売されています。ただし、答え・解説が少し分かりにくいので、タクスの授業動画と併用する使い方がおすすめです。
余談ですが、いつか法務3級の過去問を解説するアプリをリリースしたいな、と考えています。
アプリなら、pdf化した教材を格納したり、問題集のダウンロードなどもしやすいと思いますし。
・法務3級直前整理70
試験直前に重要論点を復習したい時に利用します。重要な論点がコンパクトにまとまっているので、短時間でこれまでの学習の総洗いをすることが可能です。ただ、あくまで前述のテキストや問題集をしっかりやっていることが、前提として作られているので、「これだけやっとけば大丈夫(^^) 」というものではありません。その点ご注意ください。
- 合格点の引き下げや足切りなどはありますか?
- 合格点の引き下げは、基本的にはないと思ってください。
一方法務3級には、簿記2級のような足切りはございません。その点は心配しなくてよいかと思います。
- 法務3級に落ちた場合でも再受験は可能でしょうか?
- 可能です。法務3級は、基本的には落ちても、何度でも受験できます。